2008/04/05

アンディ・ウォーホルとサンプリングについて

Andy Warhol: A DocumentaryAndy Warhol: A Documentary
Brian Keane

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アンディー・ウォーホル (Andy Warhol):アメリカのポップアートの巨匠で、現代美術で有名なのはもちろんのことすが、広告や音楽、サブカルチャーにも多大な影響を及ぼした芸術家です。この芸術家を自分が初めて知ったのは確か自分が高校生の時、'88年か'89年だったと思います。英語の勉強にと Newsweek のアジア版を購読していましたが、これにこのウォーホルという人の記事が載っていて何と誰かに狙撃されて死んだという記事です。この記事にはあの特有な風貌の(ツンツンと爆発したような髪型)写真があり、「何だ?この人は?」と思ったものです。

それから何だか気になりだしてその人の作品を見たところ、おなじみのあのモンローやエルビスの写真をただ繰り返し印刷しただけの版画・・・自分は「これのドコが芸術なんだ?」と思いつつも、何かカコイイと思ったわけです。「むむーこれが前衛芸術と言うものか?」とまだ若く新しいものに飢えていた自分は、たちまち、ウォーホルに始まり前衛芸術のとりこになり、上京していたときも「芸術手帖」とかを読んだり美術館に行ったりと色々刺激を受けたものです。高校時代は美術部に所属して、あまりまじめでもないですが油絵とかをしこしこ描いてました。しかし、このウォーホルに出会ってからは何だか絵を描くのがばからしくなったものです。そんなこんなで、パクリもセンスがあればオリジナルとみなされるんだということを強烈に自分に印象付けた人がこのアンディ・ウォーホルです。

そんな時、音楽面で出会ったひとつのムーブメントに"ヒップホップ・ムーブメント"がありました。これも人が作ったレコードの間奏部分だけ2枚のターンテーブルまたはサンプラーという機械でループさせてラップするというのが基本的スタイルですが、これもサンプルを加工したりしているものの露骨なパクリです。今では当然の手法かもしれませんが、当時は、そのパクリの露骨さにかなりショッキングでした。自分は楽器は何もできなかったので、このターンテーブルなら自分でも音楽プレイもどきができると思いDJセットやサンプラーなど買い込んだきっかけともなりました。

そんなこんなで、自分でしこしこ絵を描くとか、ギターなりを自分で弾いてみるというモチベーション、またはそれらの取り組みがカッコイイという感覚を自分からある意味奪ったのがこの人かもしれません。

ただ、アンディウォーホルの名誉のために付け加えると、この人の芸術性の評価には、Wikipediaによるとアメリカ社会を明快に体現するとともに、資本主義や大量消費文化を皮肉っているのもあります。これを読むとアンディをカッコイイと思っている自分が逆にアンディにあざ笑われているのか?とも思います…

最近、自分の仕事でもなんでもいいんですが自分のオリジナリティって何だ?と思うことがよくあります。自分はそんなクリエイティブな仕事に携わっているわけでもなくただのサラリーマンなので、オリジナルだろうがなんだろうが目の前の仕事をこなせば目的を達成させられるわけですが、やはり人間自分の存在意義を示したがるもの。自分の考えなんて無いんではないか?又はひとのパクリなのでは?そんな疑問への挑戦にこのブログもひとつにあるんですが、そんな自分の思考回路をたどっていくとこの人が出てくるわけです。

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